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◆第12話 2004.2.12  〜西野和徳邸の様変わり〜
 今回の作品リストは、私の学生時代の友人 西野和徳邸を紹介します。家の解体から整地まででなく、その後の建築までの様子をご覧ください。

 義理のお兄さんの営む『根本建築』(ひたちなか市)によって新築されたその家は、室内空間(ふきぬけ)がとてもいい雰囲気のように感じます。ケヤキ・ナラの柱、松を使った梁による大胆なふきぬけからは心地よい木の温もりが伝わってきます。今はふきぬけ自体そう珍しいものではありませんが、ここのふきぬけは特別な雰囲気があるような気がするのです。

 リビングから階段を昇りきった2階右側には、1階のフロアーを覗き込めるファミリースペースがあり、そこには何に使ってもいいとされる長くてやや低めのテーブルというか棚というかそんないい感じのものがあります。それを見て、私はとっさに勝手な想像をしてしまいました。

 ある日曜日の夕方。長女さえちゃん。休みが2日間あったにもかかわらず、宿題をズルズル今まで引き延ばし状態。お母さんに宿題 宿題と言われ続け、見たかったサザエさんのTVも我慢しやっとの思いで2階のテーブルに着席。ドリルを広げ気乗りしないままいやいやスタート。キッチンではお母さんが夕食の準備。お父さんは、スヤスヤいい気持ちで眠る長男しずまくんを抱っこしながら、今日のスポーツ結果が気になりテレビに夢中。おばあちゃんは畑から自作のほうれん草を採ってきて、孫が元気に育つようにと採りたての野菜を食べさせるのに大張り切り。そうこうしてるうちに何やらカレーの匂いがオープンスペースを登り始め、2階にいるさえちゃんの鼻まで到着。もう宿題どころではなくなり、手すりの上から首を出し、割れんばかりの大きな声が家中に響き渡りました。

さえちゃん 「おなかすいたー。ご飯まだー。」
お母さん ‥強い口調で‥「宿題終わったの?終わらないとご飯にしないからね!」
しずまくん 「オギャー オギャー」
お父さん ‥無言のまま‥〔オレのテレビの時間を邪魔すんな!〕
おばあちゃん ‥心の中で‥〔素敵な家ができて、よかったな。〕
<<< なにげない休日の一時 >>>

西野氏の談:今回、石橋土木さんには大変お世話になりました。きちんと分別解体し手際よく作業する姿を見ているとさすが先代から続くベテランという感じでした。さらには、宅地造成まで丁寧に仕事をしていただきとても満足しています。

■根本建築 :ひたちなか市平磯町5289-2  tel&fax:029-265-7265

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