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◆第29話 2008.5.29 「実用新案登録 第3136558号」
平成20年5月
石橋 磨事
 私たちの属する建設業は、今、最も利益の上がらない業種の一つのようで、「商売変えでもして儲かる仕事をやろう」と考えたところで、今さら医者になるようなこともできるはずがなく、結局、建設業界の中で、もがき苦しんでいる毎日です。建設業界の一部でもある産業廃棄物業界については
 「産業廃棄物の仕事は儲かるらしいね」
と話す人がいらっしゃいますが、それは、ほんの一部の処分業を営んでいる方々で、その処分業でさえ、近年は様々な世の中の変化に対応するのが大変のようであります。私の会社の柱になっている解体工事も「儲かるらしいね」などと、うわさする人がいますが、その人達のせいで、業者が格段に増え、単価競争になったり、未登録者が工事をしたりというのが現状で、とても儲かるどころの話じゃございません。外構工事などもほぼ同様の現象です。
 そんな業界なのですが、考え方を変えれば何とかなることだってないわけではなく、数年前に、たしか経営者セミナーか何かで聞いた話をよく覚えています。そこでの講師は
 「バブル期にゼネコンが失敗したのは、ノウハウも解らないリゾート開発や不動産事業に手を出した(多様化)からで、物作りを大黒柱としているのだから、それに関連した柱建て(多柱化)に努力すべきであった。」
というのです。それまで不安半分だった私は、やっていることが柱建て(多柱化)なんだと思えるような感覚があり、それからは、私の出来る範囲内で、会社を見つめ直すことに取り組めたように思います。
 会社を見つめ直すことでは、弊社の相談役がよく私に
 「思想・改善・創造なき繁栄は無意味である。」
と話をしてくれます。何も考えず、ただ現状のままでいる人(会社)はいずれ衰退してしまうということなのでしょう。その思想・改善・創造の一部と言えるかどうか、また柱になるのか、まだ解りませんが、私の取り組みが実用新案登録となりました。完全ではありませんが、他社には出来ない工法が一つ出来たことは、その柱建て・会社の方向性において、とても重要なことに思えます。と言っても、大発明をしたわけでもなく、ほんの少しのことなので、偉そうなことは言えないのですが、私としては、大きなことというより、人の興味を引きつけるような仕事を多くしてみたいと考えています。
 でも、実際は、それほど勉強しているわけでもなく、それほど考えているわけでもなく、それほど行動力があるわけでもないのですが、いつかきっと一生のうち『輝ける何か』を体得できることを信じている私は、皆さん変ですか?

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