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◆第30話 2008.7.29 風の歌が聞きたい
平成20年7月
石橋 磨事

―――音のない世界に生きる聴覚障害夫婦の16年――― 
  2008.7.23(水)TBSテレビ 水曜スペシャル 18:55〜21:00

 天は二物を与えずの言葉通り、何でも出来る人はいない。別の言い方をすれば、何かしら不得意なことやコンプレックスなどの試練を与えて下さって、不公平でなくされているそうだ。しかし、この夫婦が与えられた試練はあまりにも過酷で、果たして公平なのか?とも思えてしまう事柄である。
 聞こえない両親(話せない両親)は、一通の手紙から出会い、トライアスロンを通して子供を産む決意をし、健康な子供を授かる。子供の名前は怜音(レオ)。どうしても音という字を付けたかった。怜音はすくすく育ち、聞こえない両親をサポートするようにもなったが、思春期を迎えた怜音は良くない方向に傾いていく。
 そこで、父親は宮古島に3人で行くことを決意。
「この島には人を変える力がある。」
「私達が愛したトライアスロンレースを目に焼き付けてもらいたい。」
結果、怜音は以前の素直でたくましい心を取り戻した。
 番組終了間近、怜音はインタビューにこう答えた。
「むしろ、ぼくも聞こえない世界に生まれればよかったと思う時があります。聞こえない世界には、聞こえる人には聞こえない風の歌が聞こえるんじゃないかな?」
「聞こえない両親でよかった。」
 番組最後のナレーションでこう伝えられた。


  聞こえない両親と聞こえる息子でもなく
  聞こえない世界と聞こえる世界でもなく
  一つの世界
  あなたは音のない世界が想像できますか?
  日本には27万6千人の聴覚障害者が暮らしています。
  あなたは風の歌が聞こえますか?
  あなたの誇りは何ですか?
  私の誇りは聞こえない両親です。


[番組紹介]
―――音のない世界に生きる聴覚障害夫婦の16年――― 
2008.7.23(水)TBSテレビ 水曜スペシャル 18:55〜21:00

〜風の歌が聴きたい〜 音のない世界に生きる聴覚障害夫婦の16年。
▼出会いは一通の手紙から▼トライアスロンがはぐくんだ夫婦愛・・・▼”聞こえる子供”を産みたい・・・感動の出産
▼わずか2歳で覚えた手話▼聞こえない世界と聞こえる世界・・・親との絆

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