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◆第36話 2010.1.29 お医者様
2010年1月
石橋 磨事
 日本人ならではの表現がすばらしいと最近感じることがある。それは、元中国人(現在は日本国籍)の妻と会話をする中の一コマから始まった。

 妻:「日本語は難しくて覚えるのが大変」
 私:「何言ってんだ!日本語はひらがなカタカナの簡単な文字が文中にたくさんあっぺよ。中国語は全部漢字で文章を一目見ただけで中国語の方がメチャクチャ難しいべよ。」
 妻:「それは逆にも取れるのよ!中国語は漢字だけ覚えればいいけど、日本語は漢字ひらがなカタカナそれに加えてカタカナで表現される外来語の多いこと。雲泥の差よ。」
 私:「そうなのが?そうかもしんねぇな?」
 妻:「それに表現方法がいっぱいあるのよ。例えば、尊敬語と謙譲語。それと、『れる・られる』などの能動態と受動態。『が・に・を・は』の使い方は最悪。訳わかんない?!」

 確かに『〜のおかげで・〜のせいで・おかげ様で』等、間違えだらけの日本語で話しているのは確かだ。
 その『おかげ様で』の様にも、日本人ならではの繊細な配慮が窺える。『ご苦労だったね・疲れただろうね・世話になったね』いうよりも、『ご苦労様でした・お疲れ様でした・お世話様でした』の表現の方が格段に丁寧なわけで、感謝の意を込めて、『御・お・ご・様』をつけてしまう日本人。
 御と様を付けるのは、お医者様も同じである。最近、私はお医者様に大変お世話になっている。ちょっとしたことで爪を痛め、有名な皮膚科のとあることを友人より聞いて、その皮膚科のお医者様に見ていただいている。那珂市にあるさがわ皮膚科の佐川先生。女性の先生で日本人の心のような事をとても重んじている方。そもそも私が爪を患ったのは、剣道の稽古中の最中だった。剣道の言葉を発してから、強烈な興味を抱いたらしく、忙しい時間帯であったにもかかわらず、目を輝かせ5分ほどすばらしい武道のお話を聞かせていただいたことがあった。
 さらに、私の息子(2歳)が数日前より急性胃腸炎で水戸市の丸山小児科に緊急入院した。現在も入院中。その病院も奥さん方の間ではかなり有名である。いつも親切で丁寧な対応をしていただいている。おかげ様で、現在はかなり回復し、近日中に退院できる予定だ。今回も息子の様子が急変し慌てて3人で駆けつけた。その時、ここの院長先生(女性の方)が、診察室から用事があったらしく待合室に出て来られた。その時の表情がすばらしかった。たぶんお年を召されているだろうが、同じく目を輝かせてお姿は燐とされ、それでいて明るい笑顔で通りかかる患者さんに声をかけておられた。

 そんなことを考えてから、最近私は診察室・病院から外に出る際には、決まって『お世話様でした』の表現をするようになった。私たちの健康を掌る方々には、医者とは言えようがない、言うまでもなく、『お医者様』である。

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