普段仕事をしている中での出来事や感じたことを日誌で更新していきたいと思っています。
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〜目次〜
◆第11話 2003.12.1  〜四国霊場八十八ヶ所めぐり〜 (有)石橋土木 会長 石橋 功
 平成十五年八月二十一日木曜日。
テレビでは本県代表の常総学院が甲子園で白熱した試合を繰り広げていました。序盤からリードを許し、苦しい展開。しかし二度のスクイズを含む巧みな試合運びで逆転に成功。見事ベスト四に進出。
 その興奮が冷めやらぬまま、以前より四国の八十八ヶ所めぐりを予定していた私は、急遽出発を早めることを決意しました。甲子園で常総学院を応援してから四国入りしようと考えたのです。試合が終わるやいなや準備を始め、次の日二十二日早朝二時に出発しました。軽ワゴン車で常磐道〜東名〜名神の各高速道を走り抜くことは、決して楽ではありませんでした。そんな疲れも常総学院の準決勝・決勝の見事な戦いを見て、さらに優勝を共に喜んでいたら何処かにふっ飛んでしまったようです。
それにしても、名将「木内幸男」監督の
 「私はただ単に野球だけを教えてるわけではありません。野球を通じて人を育てているのです。」
というような内容の優勝監督インタビューには、正直胸を打たれました。これから八十八ヶ所めぐりを始めようとしている私には最高の言葉であり、何か勇気を頂いたような感じでありました。
 
 またしても興奮冷めやらぬまま、八月二十三日午後七時に四国入り。そして徳島県鳴門市に一泊。明けて二十四日。いよいよ一番寺霊山寺より参拝を始めました。結局、私自慢の機動力にて九日間で八十八ヶ所をめぐり歩くことができました。
 その中でも特に印象深かった箇所がいくつかあります。まず二十一番大龍寺。所在地は徳島県阿南市。海抜七百二十米の高台に立派に建てられている姿を見ると、昔どのようにして工事がなされたのかと考えてしまいます。
現在はロープウェイで登れるようになっていますが、そうなったのはつい最近のことのようです。
 次に四十五番岩屋寺。所在地は愛媛県美川村。またしても歩いて三百米位あったように思われる高台に岩盤を削って建てられていました。境内に水子地蔵が沢山並んでいたことも鮮明に記憶しています。
このようなお寺を見ると、建設する時の苦労や状況を想像してしまう私は、やっぱり建設畑で生きてきたんだなぁと思えてしまいます。さらにその建設業は天職であったように思われ、その天職を全うできたことに感謝しました。

 その他挙げればきりがない程色々な寺があり、数百段も登らなければならない所はいくつもあり、休み休み登ったものでありました。また、長い参道の奥にお寺があった箇所もありました。我がふるさと常陸の国では大祭礼で最近特に有名になった東金砂郷神社、西金砂郷神社がありますが、とても共通したものがあり、我々の先祖は所変わっても何かにすがる思いや何かを敬う、奉る気持ちは同じであるように深く感じました。そういった気持ちは所だけでなく、時代が変わっても同じであるはずでしょう。
しかし、現代人は忙しさや世の中の複雑さなどを理由に忘れかけているのではないでしょうか?
それは私も例外ではなく皆一人一人が少しでもいいから我を見つめ直し、一番大切な事は何かを考えることが今最も必要であるように想います。

 想い出に残るのは、お寺だけでなく「多くの人々」に想う事が数多くありました。
八十八ヶ所めぐりは驚く程さまざまな人々が行っています。何か悩みを抱えている様子が伺える二十代の娘、定職を持たずに廻っている若者、定年を迎え長い間仕事を続けることができたお礼参りをしている私と同年代の人、またオートバイでさっそうとめぐっている若者もいました。そのような人々と宿泊先で、夜いろんな話をする機会が度々ありました。話の内容はなにげない事ですが、各々の地元の話、めぐっているお寺の話、また身の上話に発展することもしばしば。話の後は日が重なるにつれ、痛みのひどくなる足に粂をやき、早目に床に付き、早朝目が覚めると貼り薬を貼って気合を入れ直して出発。走り出すとゆうべの話を想い出し、勇気づけられたり、羨んだり、幸せを感じたり、またそんなことに感謝したり。八十八ヶ所めぐりの意味のほんの一端を理解したような気がします。
 そうこうしている内に九日目を迎え、やっと一番寺に戻ることができ、お礼参りを済ませフェリーで和歌山市に到着。すぐに高野山に向いました。高野山は二十五キロ米の上り坂でそこに一泊。明朝、奥の院に参拝しました。

 最後に総括した感想を申し上げます。
四国での九日間は実に色々な人々にお世話になりました。お寺がわからない時は地図を書いてくれたり、車で誘導してくれた人さえいました。そのような人々のおかげで、八十八ヶ所めぐりを無事に終えることができたのです。さらに郷里を離れ旅することができるのは、
(1)私自身が健康であること
(2)ご先祖様に見守ってもらえてること
(3)日頃、周囲の皆様に支えてもらっていること
であればこそという想いを強くし、感謝しているところです。

今後は、西国三十三ヶ所めぐり、坂東三十三ヶ所めぐりを予定しています。ご一緒にどなたかいかがですか?

 八十八ヶ所めぐり前の足の痛みは不思議に全く無くなり、すっかり歩くことが好きになった私はゲートボールに行く時も、黄門の湯に行くときも歩いて行くようになりました。
 何かをやり遂げることのすばらしさを実感し、その余韻がまだ冷めぬうちに感謝とさせていただきます。
平成十五年九月

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